ギフテッドとは?突出した才能を持つ子はどうすればいい?

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ギフテッド(Gifted)とは?

ギフテッドとは、先天的に突出した才能を授かり、同世代の子どもと比べても並外れた成果を出せる人のことを指します。早期教育で得られるものではなく、生まれつきの特性です。IQは130以上あるケースが多く、割合は人口の約2%ほどです。日本には約250万人いると言われています。


「神からの贈り物」と言う意味の「Gifted」であり、日本語では「天賦の才」や「鬼才」などと表現されます。

彼らは、学問、言語能力、記憶力、芸術性、創造性など多岐にわたる分野において高い潜在能力を持っているため、通常の学校教育とは異なる特別な教育や接し方が必要になります。

ギフテッドの子どもの特徴

ギフテッドの子どもたちと家族を支援している、アメリカのギフテッド教育推進団体「NAGC(National Association for Gifted Children)」では、以下のようなギフテッドの特徴を紹介しています。

・乳児期から並外れた注意深さがある
・学習の飲み込みが早く、考えを素早くまとめられる
・優れた記憶力
・年齢に対し並外れた豊富な語彙と複雑な文章構成ができる
・単語のニュアンスや隠喩、抽象的なアイディアへの高度な理解力がある
・問題を解くのを楽しむ、とくに数字やパズルの問題が好き
・未就学児のうちに読み書を独学することが多い
・深く、激しい感情を持ったり反応をしたりする
・ものごとに非常に敏感
・考え方が抽象的、複雑、論理的、洞察に満ちている
・幼いころから理想論や正義感がある
・政治問題や社会の不平等に関心がある
・長期の注意持続時間と高い集中力
・自分の考えに耽る(空想家)
・少しの練習で基本スキルを素早く習得する
・詳細を探るような質問をする
・幅広く関心をもつ(もしくは、ひとつの分野に極端に集中する)
・非常に発達した好奇心
・試したり、違う方法で行ったりすることに興味をもつ
・通常使わないような方法で考えや物事をまとめる
・頭の切れる、そして/または、特徴的なユーモアセンスがある
・ゲームや複雑な図式を通して、人や物事を系統立てたがる
・鮮明な想像力がある(未就学児期に空想の友だちがいる)

NAGC(National Association for Gifted Children)

ギフテッドの有名人・芸能人は?

近年では、テレビや映画などでギフテッドが取り上げられることもあり、「ギフテッド」という言葉が浸透してきました。ギフテッドとして知られている有名人・芸能人を紹介していきます。
ギフテッドとして多彩な才能や高い能力を持つ一方で、際立ちすぎる故に問題を抱えている一面も持ち合わせています。

日本人のギフテッド

北野武

IQは132と言われており、映画監督、俳優、芸術家、芸人として世界的に有名です。裕福な家庭ではありませんでいたが、5人兄弟の末っ子として母親の大きな愛情と教育を受けて育ちました。明治大学に入学するも、大学を中退して職を転々とした後に芸人修行を始め、その後漫才師として成功を収めます。母親からの深い愛情が成功の原動力だったのかもしれません。

所ジョージ

IQは138と言われており、頭の回転の速さや言葉のセンスを生かしてマルチタレントとして活躍しています。
小学校時代はプラモデルに熱中したインドア少年でしたが、中学生ではテニスに音楽にとアウトドア派に一転します。高校生になるとハンドボールと新聞配達のアルバイトに取り組みました。大学では一度も授業に出席せずにアーチェリー部の活動に熱中し、退学したエピソードはギフテッドの特徴が見られます。枠にとらわれることなく自由な生き方をしてきた様子が伺えます。

大川翔

5歳の時に父親の仕事のため、カナダに移住しました。9歳の時にギフテッドとして認定され、12歳で中学を飛び級し高校に進学、その後14歳でブリティッシュ・コロンビア大学、マギル大学、トロント大学などカナダの名門5大学に合格し話題になりました。幼少期より認知能力や記憶力、集中力が飛びぬけていましたが、本人にはあまり自覚がありませんでした。

海外のギフテッド

アルベルト・アインシュタイン

IQが160以上あったと言われる、相対性理論で有名な理論物理学者です。5歳頃まであまり言葉を発しませんでしたが、9歳でピタゴラスの定理を自力で証明するなど数学に関して突出した才能を示しました。

ビル・ゲイツ

IQは160あると言われており、マイクロソフトの創立者として有名です。ハーバード大学在学中の19歳の時に友人と共にMicrosoftを設立し大学を退学しました。社会人になってからは実業家、慈善活動家、作家、教育者などさまざまな分野で活躍してます。

 ギフテッドの診断方法

ギフテッドの診断は様々な方法がありますが、その中でもよく利用されるWISC-ⅣQEEG検査について紹介します。

WISC-Ⅳ:ウェクスラー式知能検査

子どもの知能指数(IQ)を測定するための検査で、世界的に使われています。

WISC-Ⅳ:ウェクスラー式知能検査

・目的…知能指数の測定
・測定できる指標…言語理解・知覚推理・ワーキングメモリー・処理速度
・適用年齢…5歳0ヶ月~16歳11ヶ月
※言語理解131、 知覚推理126がアメリカのギフテッドの子どもの平均的なスコア

IQテストのみを用いると最も定量的かつ容易に判定できますが、すべてのギフテッドを判定することは出来ません。

QEEG検査

QEEG検査(定量的脳波検査)では、脳波を測定して脳の状態を可視化し、どの部位が平均よりも活性化しているのかなどを客観的に診断します。

QEEG検査(定量的脳波検査)

・目的…脳の各部分が正常に機能しているか診断
・適用年齢…3歳1ヶ月~高齢者
※痛みは伴わず、所要時間は約20分

ギフテッド教育

アメリカでのギフテッド教育

アメリカはギフテッド先進国で、ギフテッド教育が盛んに行われています。

アメリカ教育省が、2011~12年度の公立校の生徒全体の約6.7%である320万人の生徒がギフテッド&タレンテッドプログラムに在籍したと発表しています。

タレンテッドとは

ギフテッドは物事を論理的に分析し解明する高い能力を持っていますが、タレンテッドは感受性に優れ高い創造能力を持っています。EQが高く感情を読む能力に優れていますが、それ故他者の感情や噂にも敏感に反応し、精神的に不安定になる人も少なくありません。

ギフテッドと認められた場合には、週に1回ギフテッドクラスで授業を受けます。ギフテッドには全世界共通の明確な定義がないため、アメリカでは州ごとに異なる基準を持っています。

アメリカ教育省は、ギフテッドを「ギフテッドとは、同世代の子供と比較して、並外れた成果を出せる程突出した才能を持つ子供のことである。」と1993年に定義しています。

授業の内容は難しい内容を先取りするだけではなく、答えのない問題について論理的に考えて結論を出したり、研究プロジェクトに取り組んで、その結果を保護者の前で発表したりします。思考して自分で課題を設定し、問題を解決する経験を積ませるような内容になっています。

日本でのギフテッド教育

日本はギフテッド教育後進国であり、ギフテッド教育が浸透してる状態であるとは言えません。優れた能力をもちながらも、周りから理解されずに「扱いづらい」と捉えられているギフテッドが数多くいます。

しかし日本にもギフテッドを支援する団体がいくつかあります。今回はその中でも4つの団体を紹介します。

JAPAN MENSA

MENSA(メンサ)は、1946年にイギリスで創設されたギフテッドを結ぶ国際グループです。世界100カ国以上、会員10万人以上のギフテッドが会員となっています。

JAPAN MENSAはメンサの日本支部です。入会条件は、「日本在住で15歳以上であること」「JAPAN MENSA主催の入会テストで、全人口の上位2パーセント以内のスコアであると認められること」です。日本には約4,700人(2019年12月)の会員がいます。

メンサは「知的な刺激」と「社会的相互関係」を提供しています。会員の年齢層や職業の幅も広く、様々な人と交流することができます。

ギフテッド応援隊

ギフテッドの子どもやその家族をつなぐ活動をしている団体です。設立は2017年と比較的新しいながらも、ギフテッドとその家族同士が交流できる場を設けたり、海外のギフテッド情報の和訳作業も積極的に行なったりしています。

孫正義育英財団

実業家・投資家である孫正義氏が設立した、「高い志と異能をもつ若者が才能を開花できる環境を提供し、未来を創る人材を支援すること」を目的とした財団です。財団生になるには審査がありますが、認定されると能力を伸ばすための環境、金銭的支援が受けられます。

日本ギフテッド協会

ギフテッドやその子どもたちを育成している親や先生、又は教育機関をサポートしている団体です。アメリカで長年ギフテッド教育を提供してきた教師とその卒業生で運営されています。

2022年6月現在の日本でのギフテッドの対応は?

文部科学省が、数学や語学などの特定分野で突出した才能を持つ子どもの支援に乗り出したことは大きくニュースでも報道され、これに関して様々な意見が飛び交っています。

対象となる子どもは知能指数(IQ)では選抜されず、教師からの推薦などで柔軟に選ばれるそうです。「ギフテッド」という言葉は使われず、「特定分野に特異な才能のある児童生徒」の才能を伸ばすことを目的とした支援が行われます。

まだ課題が多くあり、今後細かい内容が検討されるそうですが、ここからは個人の意見となります。

まず気になったのは、IQでは選抜されず教師が推薦する点です。IQテストではすべてのギフテッドを判定することが不可能なことは記事内にも書きましたが、一つの目安として取り入れてもいいのではないか、教師がギフテッドを見抜くのは可能なのかと言う疑問が生じます。IQは客観的な指標ですが、教師はあくまでの人間なので、その人の主観が入らないとは限りません。本来支援されるべき子が漏れてしまう可能性があるのではないかと思います。

次に、「飛び級」の可能性はないのかという点です。海外のギフテッドは、その才能を伸ばすために多くが飛び級をして専門的な分野で活躍しています。特定の科目だけ支援する形では本当に学生生活を送る上での困難は解決できているのか疑問に残ります。個人的には中途半端な気がします。

まだ今回の事業がモデル校を助成して支援ノウハウを蓄積する段階であるため、今後どのように概要を詰めていくのか分かりませんが、まだ日本はギフテッド教育後進国を抜け出せないなという印象です。

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読んでくれてありがとうございます

コメント

コメント一覧 (2件)

  • キフテッドという言葉をはじめてしりました。
    とても勉強になりなるほどなーと思いました。
    また1つ知識が増えました。
    ありがとうございました。

    • ainさん、コメントありがとうございます。
      管理人のキーウィです。
      これからもギフテッドのように、役に立つ記事を書いていくので楽しみにしてください!

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